柚子精油の効果と使い方|医療現場で注目される理由
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和精油と国産ナチュラルコスメの専門店「和精油のある暮らし」のこんみゆです。
このブログは音声をもとにして記事に整えたものです。
動画はこちらをご覧ください。
(2024年3月15日のstand.fmをもとにしています)
今日は、澤村正春先生の著書『柚子をさぐる 柚子の森より』を手に取り、そこから見えてきた柚子精油の世界を皆さんにご紹介します。
実はこれ、冬至の日にお話ししたかったテーマなんです。でもご存知の方も多いと思いますが、冬は行事や仕事に追われてあっという間。気づけば冬至が過ぎ、クリスマスソングがまだ耳に残るころになってしまいました。
それでも「柚子と日本人」の関わりは、冬至に限らず一年中味わいたいもの。そこで今回は、柚子の歴史・精油の抽出・医療や介護の現場での活用事例まで、まとめて掘り下げてみたいと思います。
柚子の基礎知識と名前の由来
まずは基本から。柚子の学名は Citrus junos Siebold et Tanaka。
「Citrus」は柑橘類を意味しますが、「junos(ユノス)」は地方で柚子を「ユノス」と呼んだことに由来すると言われています。
命名者の一人シーボルトは、日本で柚子の香りを愛した人物でもあります。彼は日本に医学をもたらし、日本人女性と結婚して暮らした歴史があり、温泉地「シーボルトの湯」といった名前にも残っています。彼が好んだ香りを、私たちが今も同じように感じていると思うと、なんだかロマンを感じませんか?

柚子の歴史と広がり
柚子は奈良・飛鳥時代の記録にも登場しています。第56代清和天皇は特に京都・水尾の柚子を愛し、その地は「水尾の柚子」として知られるようになりました。この栽培文化がやがて全国へと広がり、日本の食文化に欠かせない存在となっていきます。
その後、平氏の落人が各地に柚子を持ち込み、特に四国の山間部が栽培に適していたことから、高知・徳島・愛媛が今日の主要産地となりました。
クローンで受け継がれる柚子
驚くべきは、柚子の繁殖方法。柚子は基本的にクローンで増えるため、古代に愛された水尾の柚子と、現代の私たちが手にする柚子は“同じ遺伝子”を持っているのです。
つまりシーボルトが愛した柚子と、私が今キッチンで刻んでいる柚子の香りは同じもの。千年以上の時を超えて同じ香りを共有していると考えると、不思議で温かい気持ちになります。

ユズ精油の抽出と日本的な工夫
柚子は「香酸柑橘」と呼ばれ、果肉よりも果汁や皮の香りが主役です。精油は、果汁を搾った後に残る皮から水蒸気蒸留法で抽出されます。まさに「もったいない精神」から生まれた副産物の活用です。
抽出方法の進化
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従来の水蒸気蒸留法:最も一般的な方法。
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マイクロ波照射型水蒸留法:効率を高め、より豊かな香りを得られる工夫。
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超音波照射型水蒸留法:さらに効率的に成分を抽出。
日本人らしい技術改良が、柚子精油をより多様に楽しめる形へと進化させてきました。

冬至の柚子湯と香り成分
冬至といえば柚子湯。「柚子湯に入ると風邪をひかない」と昔から言われますが、実際に柚子の果皮に含まれる リモネンには血行促進作用があり、体を温める助けになることが知られています。
私自身も毎年冬至には柚子を浮かべたお風呂に入り、湯気とともに広がる香りに「今年もここまで来たなあ」と気持ちを新たにしています。科学的にも裏づけがあると知ると、昔の人の知恵に頭が下がりますね。

柚子の花からとれるネロリ
柚子といえば果皮の香りを思い浮かべる方が多いですが、実は花からも精油が採れます。それが 柚子ネロリ。
一般にネロリといえばビターオレンジの花由来ですが、柚子の花から採れるネロリは成分が少し違い、β-フェランドレン、γ-テルピネン、フェネチルアルコールなどを多く含みます。
私は以前、長崎県の山辺果樹園さんの「橙ネロリ」を1ml 2万2000円で購入しました。清水の舞台から飛び降りた気持ちでしたが(笑)、一滴で広がる透明感ある香りは本当に特別。国産ネロリは数が少ないですが、機会があればぜひ試していただきたい香りです。

医療現場での活用事例
柚子精油は研究の対象にもなっており、医療や介護の現場でも活用が報告されています。
入院患者の安眠サポート
手術を控えた患者さんは緊張や不安から眠れないことが多いですが、柚子精油を用いた研究では、ラベンダーよりも安眠につながったと報告されています。日本人にとって馴染みのある香りが安心感を与えたと考えられます。
終末期ケア
ターミナルケアの現場では、不安や痛みで眠れない患者さんに柚子精油を用いたところ、自然に眠りにつけた例がありました。香りがもたらす安心感は、ケアを受ける人だけでなく、看護師や介護者の心を和らげる働きも持っています。
うつ病患者への研究
柚子精油とレモン精油を比較した実験では、柚子は「安心感や落ち着き」を、レモンは「前向き・活力」を感じる傾向が示されました。
同じ柑橘でも心への作用は異なり、目的に応じた使い分けが大切だと分かります。

柚子特有の成分と期待される作用
柚子の香りには オーラプテンやオストールといった成分が含まれます。研究によれば、これらは以下のような作用を持つとされています。
- 炎症を抑える
- 神経を保護する
- 血管を拡張する
- 抗けいれん作用
「柚子の香りを嗅ぐとほっとする」という体感には、こうした成分の働きが関わっている可能性もあります。

柚子の未来と課題
柚子はクローンで増えるため、世界的に栽培が広がると同じ遺伝子を持つ柚子が一気に広まります。国際的な人気が高まる中で、日本の柚子の独自性をどう守るかが今後の課題です。
一方で、日本人にとって特別な「安心感のある香り」として、柚子精油を活用することは、世界へ日本の文化を伝える大きな可能性になります。

まとめ
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柚子は古代から日本で親しまれ、現代も四国を中心に栽培されている
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果皮から抽出される精油は副産物活用の知恵から生まれた
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医療・介護現場での研究では、安眠や安心感をサポートする報告がある
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柚子特有の成分が香りの独自性を支えている
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日本の柚子文化を守りつつ広げていくことが今後の課題
🌿 私自身も柚子精油を嗅ぐと、冬至の柚子湯や日本食に添えられた柚子皮を思い出します。懐かしさとともに心が落ち着く感覚は、日本人ならではの記憶に根ざしたものかもしれません。
皆さんも、柚子の香りを暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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