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改めて和精油とは!?
日本人にとってメリットが多すぎる
和精油について知ってほしい!
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こんにちは。
和精油と国産ナチュラルコスメの専門店
「和精油のある暮らし」の近藤です。
ブログを耳で聴く派の方はこちらのラジオでお聴きください。
たくさんの方に見ていただいたYouTubeはこちら
https://youtu.be/uW3RbKKPpog
アロマの勉強は海外精油から始まる現状
今回は、和精油の魅力と、
なぜ日本人にこそ和精油を使ってほしいのかについて、
改めてお話ししたいと思います。
アロマに興味があるけれども、
「どうやって勉強を始めたらいいのかな?」
と思われている方は多いと思います。
最初に手に取る本やアロマスクールで学ぶのは、
ほとんどが海外から輸入された精油についてです。
私がアロマの勉強を始めた頃は、
なかなか和精油から勉強を始める機会はありませんでした。
和精油の魅力に気づいたキッカケ
実は、私のフォロワーにはアロマのプロの先生方もたくさんいらっしゃいます。
海外の精油をどんどん勉強していっても、
日本の精油の情報はほとんど入っていないんです。
私も昔、国際アロマセラピスト資格(IFA)を勉強していた時、
海外の精油についてはたくさん勉強しましたが、
日本産の精油については一切触れられていませんでした。
IFAの勉強をしながら、同時に受けていた
「yuicaインタープリター資格」の授業を受けて、
初めて日本産天然精油の存在を知りました。
そこで気づいたのは、
「自分たちが生まれ育った土地から取れた植物を使って作られた精油の方が、
自分たちの暮らしに合っているんじゃないか」ということでした。
その後、私は和精油にどっぷりとはまり、
今では海外の精油を使わなくてもいいなと思うくらいになりました。
もちろん、海外にしか存在しない香りはたくさんあって、とっても魅力的です。
ですので、和精油と海外の精油を上手くミックスして取り入れると、
アロマをもっと幅広く楽しむことができると思います。
和精油の定義とは?
私が運営する「和精油のある暮らし」というお店では、
和精油とは、「日本産の天然精油」つまり
日本の土地で育った植物から蒸留されるエッセンシャルオイルのことを指します。
和精油というキーワードは聞きなじみがない方もいらっしゃるかもしれませんが、
和精油の元になっている植物は、
ずっと日本で育ってきた環境の中に必ずあったはずの植物たちですので、
名前を聞くとパッと思い浮かべられるものが大半です。
日本の豊かな自然
日本は、世界的に見ても、地球の上でとても恵まれた場所にあり、
斜めに配置された国土から、多種多様な植物が育つ、
とても恵まれた環境にあるんです。
日本の約60~70%が森林であると言われています。
これはとても面白いデータで、
世界の中で国土に占める森林の割合をランキングにしたところ、
1位フィンランド、
2位スウェーデン、
に次いで 3位に日本が来ています。
なんか不思議ですよね。
ムーミンたちが暮らす森に続いて日本の森が来ているんですよ。
和精油は、この豊かな森から取れる植物を主に使用しています。
日本人のMOTTAINAI精神
和精油には間伐材が使われることが多いのが特徴です。
森林のお手入れの際に間伐し、材を運び出す時に邪魔な枝葉を落とすのですが、
この枝葉部、何かに使えないかなぁ?と考えたんですね。
この日本人特有の「もったいない精神」が和精油の生産に活かされています。
次に、和精油の種類とその特徴、活用方法について、
より具体的に分けて説明していきます。
ヒノキ:法隆寺を支える木
ヒノキはヒノキ科の植物で、学名はChamaecyparis obtusaです。
ハーマイオニーが呪文を唱えるようなリズムで学名を読むと、
覚えやすいですよ。
ヒノキは、その高い耐久性と美しい木目で知られ、
日本を代表する建材として広く利用されています。
特に、法隆寺の五重塔が地震が多いこの国で長く保たれているのは、
ヒノキを使っているからとも言われています。
また、疲れを癒すヒノキ風呂は、旅館での極上の体験。
コロナ禍でなかなか旅行に行けなかった時期は、
ヒノキの精油に本当に救われました。
バスベースオイルにヒノキの精油を数滴加えて入浴すると、
自宅のお風呂が旅館の豪華なヒノキ風呂に早変わり。
自宅で過ごしながらも、旅行気分を味わうことができるんです。
ヒノキの精油は、木部や葉部など、様々な部位から蒸留されており、
それぞれに全く異なる特徴がありますので、ぜひ試してみてください。
スギ:日本の隠された宝
そろそろ春が近づいてきますと、
皆さん「スギ」と聞くだけで、思わず嫌な顔をされるのではないでしょうか。
日本では、花粉症の原因として非常に嫌われがちなスギですが、
その学名はCryptomeria japonica、
ラテン語で「日本の隠された宝」といった意味合いを持っています。
スギは花粉の問題で嫌われ者になっていますが、
樹木としては日本の山林を象徴する、非常に大きな存在です。
まっすぐに天を突くその姿は、まるで森の守護者のようで神々しさがあります。
それぞれの地域で育つスギは、その土地ごとに異なる特徴を持っていて、
私にとってはワインを集めるような趣味と同じくらい魅力的です。
スギの精油が持つ香りは、まるで地方の方言のように多様で、
全国各地でいろいろな「ブランド杉」が存在します。
例えば、秋田スギや吉野スギなどがありますが、
中でも特に特徴的なのは「屋久杉」です。
長い年月を生き抜いた屋久スギから抽出される精油は、
他のスギのものとは一線を画す独特の香りがします。
このようにスギの精油は、コレクションするべき価値があると私は思います。
スギ精油の特徴は、とてもクリアで透明感のある香りがします。
深呼吸をしたくなるような、心を落ち着かせる香りで、
人の集中力を高めてくれるとも言われています。
例えば、勉強中や仕事をしている時に、
ローズマリーの精油を嗅ぐタイプの方には、
スギの精油が一つあると非常に便利かもしれません。
クロモジ:和精油界の出来杉くん
クロモジ、またの名を黒文字と聞いて、
「和菓子についているあれ?」と思った方、正解です。
お茶席で和菓子に添えられているあの小枝、
実はクロモジから作られているんですよ。
ただ、クロモジ自体についてはあまり知られていないかもしれませんね。
そこで、クロモジの簡単なプロフィールをご紹介しましょう。
クロモジはクスノキ科の植物で、学名はLindera umbellataです。
この樹木は、枝に黒い文字が書かれているかのような模様が現れることから、
クロモジ、つまり黒文字と呼ばれるようになりました。
昔は枝を餅花に使ったり、かんじきとしても使われていたそうです。
最近では、養命酒蔵がクロモジエキスを用いたのど飴を発売し、
そのエキスがインフルエンザウイルスの 増殖を抑制する効果があることが
実験で明らかになりました。
クロモジの精油は、とても甘みのある樹木の香りがしますが、
個人的にはお茶の香りにも似ていると感じます。
リナロールが多く含まれていて鎮静作用に優れていることもありますが、
少しスーッとする成分である1.8シネオールも含まれており、
マスクにつけたりするととても気持ちがいいですし、
眠る前に使用するのにも最適です。
クロモジの精油は、私が最もお勧めする和精油で
「和精油界の出木杉くん」と呼んでいます。
ラベンダーの代わりに一本持っておくと、非常に便利な精油です。
アスナロ:中尊寺金色堂が虫や腐食に強い理由
アスナロは、日本の北の地に生える樹木です。
学名はThujopsis dolabrataといい、
学名にも含まれている芳香成分ツヨプセンが約70%も含まれているため、
ヒノキとはまた違った香りの精油です。
この成分には昆虫忌避作用があり、
中尊寺金色堂にも90%このアスナロが使われています。
元々、腐食やカビに強い木材として知られています。
ヒノキの北限が福島と言われていますが、
それより北に生えているアスナロは、
ヒノキに比べてとっても深い森の香りがします。
ゆったりとした気持ちにさせてくれる和精油です。
モミ:針葉樹の中でも清々しい香りNo.1
続きまして、モミはマツ科の植物で、学名はAbies firmaです。
永遠の命という意味があります。
モミはクリスマスツリーでとても有名ですね。
和精油の中では、清涼感がナンバーワンといってもいいくらい、
とてもすっきりした香りが特徴です。
モミは抗菌力や消臭作用が強く、
酢酸ボルニルという成分が含まれているため、
安眠効果が期待できる精油とされています。
ニオイコブシ:樹木なのにレモンキャンディの香り
次に、ニオイコブシ。 学名はMagnolia salicifoliaで、モクレン科の植物です。
タムシバとも呼ばれます。
噛むとおいしいと言われ、
「噛むしば」がなまって「タムシバ」になったそうです。
ニオイコブシの精油は、枝葉部から蒸留されるのですが、
なぜか柑橘系のような香りがします。
山の尾根で育つため、取るのがとっても難しく、希少性の高い精油です。
かつてはレクサスのイメージフレグランスを作る際に
ブレンドとして使われました。
ミズメザクラ:木こりの湿布
ミズメザクラはカバノキ科の植物で、学名はBetula grossaです。
別名「あずさ」と呼ばれ、昭和世代の方なら一度は歌ったことがある、
あの「あずさ2号」のあずさです。
とても硬くて割れにくいため、高級家具の素材として使われています。
このミズメザクラから抽出される精油には、
サリチル酸メチルが約98%含まれていて、
昔、木こりがミズメザクラの樹皮をはいで湿布として使っていたのを見て、
「精油を取ったら鎮痛薬として使えるんじゃないの?」と
精油を取ってみたら本当にサリチル酸メチルが98%もあって
驚きの精油となりました。
そのため、私は個人的に「塗るサロンパス」と呼んでいます。
香りは本当にサロンパスのように湿布臭がしますので、
使用する際はほんの1滴だけ混ぜるのがいいかもしれません。
サンショウ:スパイスなのに実はミカン科
続きまして、サンショウです。 サンショウはなんと、ミカン科の植物です。
学名はZanthoxylum piperitumで、アロマセラピーを勉強している方なら、
「ピペリ」という部分でペッパーを連想されるかもしれませんね。
英語ではJapanese pepperと呼ばれています。
芳香成分は、実際にブラックペッパーに似ているところもあるんですが、
リモネンが約30%も含まれていて、さすがミカン科らしい香りがします。
サンショウの精油の香りは、本当にそのまま山椒の香りで、
うなぎが食べたくなるような、食欲をそそるような香りがします。
ユズ:安心感を与える柑橘の香り
ユズはミカン科の植物で、学名はCitrus junosです。
皆さん、日本食におけるユズの出現頻度は非常に高いため、
ユズの香りと聞けばすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
ただし、柑橘類の中でもユズは特に個性的な香りを持っているため、
ブレンドに使用すると素晴らしいアクセントになります。
ユズの香りは、柑橘類の中でも特に安心感を与える香りがすると言われています。
実際、手術前夜になかなか眠れない患者さんに対して、
ラベンダーと比較してユズを使用した実験が行われたことがあります。
その結果、なんとユズの方が優れていると評価されたんです。
ラベンダーよりもより落ち着ける香りとして、
多くの方に受け入れられたのですね。
イヨカン:伊予柑の皮をむいた瞬間の甘酸っぱい香り
続きまして、イヨカンについてです。
イヨカンはミカン科の植物で、学名はCitrus iyoです。
名前の由来は愛媛県で多く栽培されていることからきており、
「伊予」がついています。
イヨカンは甘くてジューシーで、その美味しさはよく知られていますね。
このイヨカンから抽出される精油は、
まさにイヨカンを剥いた時の香りをそのまま閉じ込めたようなものです。
不思議なことに、この香りを幼稚園児に嗅がせたところ、
みんなが「これはみかんじゃなくてイヨカンだ」と正確に特定するんです。
それだけ、イヨカンの香りは私たちにとって馴染み深いものなのです。
アマナツ:元気をくれるチアガールのような香り
次に、アマナツについてです。
アマナツはいよかんと比べて、よりさっぱりとした印象の香りを持ちます。
少し苦味があることでフレッシュさが際立ちます。
イヨカンがもたらすホッコリとした感じに対して、
アマナツは元気をチャージしてくれる、
チアガールのようなイメージを持つかもしれません。
朝に使いたいさっぱりとした香りです。
スダチ:夏を彩る爽やかな香り
最後に、スダチを紹介します。
スダチもミカン科の植物で、徳島県の固有種です。
スダチの香りは、その酸味が特徴的で、 すっきりとしていて、
しかも複雑な香りがします。
含まれる芳香成分が多いため、ただ酸っぱいだけではなく、
どこかスパイシーな側面も持っています。
夏バテになった時にこのような香りがあると、
食欲が湧いて本当に元気が出そうです。
これで、主な和精油の原料となる植物と
それらの精油の香りについて簡単に説明しましたが、これはほんの一部です。
もっと多くの樹種や柑橘類が存在していますので、
ぜひさらに探求してみてください。
日本人が和精油を使うべき理由
さて、和精油を日本人が使うべき理由ですが、
それは単に「香りが良いから」とか 「リラックス効果があるから」
という理由だけではありません。
日本には「身土不二」という考え方がありますよね。
その土地で育った植物がその土地の人々に最も合っている、
という日本古来の考え方です。
日本で生まれ育った植物から抽出された和精油は、
日本人の体質や気候に非常に自然と馴染んでいます。
先ほど紹介した、幼稚園児でもいよかんの香りを
きちんと「いよかんだ」と特定できる例や、
生まれ育った山里によく生えていた植物の香りを嗅いだ時に
懐かしいと感じる感覚、これらが心身ともに良い影響を与えると期待できます。
海外精油より和精油を好む日本人の嗅覚
実際に、被験者に海外精油と同じような樹脂から抽出された和精油の香りを、
目隠しをしてブラインドテストしてもらったんです。
そうすると、被験者の全員が和精油の方が好きだと感じたという結果が出ました。
これは、目で見る固定観念ではなく、
日本人の嗅覚にとって和精油の香りがより心地よく、
受け入れやすいということを意味しています。
サステナビリティに優れた事業
また、経済活性化とサスティナビリティの観点からも、
和精油の使用をお勧めします。
和精油の生産は、林業や農業など
日本国内の第一次産業の経済活性化に寄与しており、
間伐材や果物の可食部以外の残渣など、
廃棄される予定だった資源を有効活用しています。
これは、サステナブルな社会を目指す上で重要なビジネスとなっています。
トレーサビリティが優れている点
さらに、トレーサビリティがしっかりしていることも大きなポイントです。
海外の精油の場合、大手ブランドが取りまとめているものの、
その生産地は世界中に散らばっています。
例えば、ボトルの裏を見て原産国を確認すると、
イギリスのメーカーから買ったのに
原産国がチュニジアだったりすることもあります。
しかし、和精油の場合、裏面を見れば原産国はもちろん日本国内であり、
京都府や岡山県など、具体的な原産地がすぐに分かります。
さらに、多くの生産者が工場見学ツアーなどを開催しており、
実際にどのように精油が作られているかを気軽に見に行くことができます。
どのエリアで採取されたものが、誰の手によって作られ、
どこを通って販売されているのかが非常にわかりやすいんです。
なので、私は和精油のことを
「会いに行けるアイドル」みたいだなと感じています。
まとめ
和精油は、私たちの生活に深い癒しと豊かさをもたらしてくれます。
自分自身の健康を気遣う方はセルフケアに使ったり、 ご家族のことをサポートしたい方はホームケアに使ったり、 この話を通じて和精油の魅力とその利用の可能性について 少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
暮らしに和精油を取り入れて、 人生100年時代を豊かに生きていきましょう。