こんにちは。
和精油と国産ナチュラルコスメの専門店
「和精油のある暮らし」の近藤です。
暑いですね。
やはり年々、気温が上がってきているのを実感します。
暑いと汗をかくのですが、
そのニオイ対策として
巷ではたくさんの制汗剤やデオドラント商品が販売されています。
そして、近年、自分のニオイに関して
敏感にあんりすぎる方や、
ニオイによる被害「スメハラ」を訴える人まで出てきています。
気にしすぎるのも良くないのですが、
周囲の人が不快に思うようなニオイはやはり抑えたいもの。
そこで、汗などニオイが気になる時に使える和精油
「スギ」についてご紹介します。
スギ精油のプロフィール
- 科名:ヒノキ科スギ属
- 学名:cryptmeria japonica
学名は世界共通の呼称として分類され、
ラテン語で名付けられています。
スギの学名は「隠された日本の宝」という意味で、
日本固有種であることを表しています。
- 原産地:日本の本州,四国,九州,屋久島
北海道は寒すぎて道南でした生えていません。
暖・温帯で自生します。
- 蒸留部位:木部、枝葉部、葉部
蒸留部位によってかなり香りが違いますので、それも楽しいところです。
- 蒸留方法:水蒸気蒸留法
基本的に間伐材や加工時の大鋸屑などから蒸留されているため、
水蒸気蒸留法で蒸留されます。
各地で醸成されるブランド杉
こちら書いていてちょっとしんどくなるほど種類がありました。
こんなにもたくさん、その土地で大切にされてきたスギがあるんですね。
日本列島の北から順番に並べてみました。
- 北海道:月形スギ、道南スギ
- 青森県:鯵ヶ沢スギ
- 岩手県:気仙スギ、鶯宿スギ
- 宮城県:栗駒スギ、牧の崎スギ
- 秋田県:秋田スギ、桃洞スギ、鳥飼群スギ
- 山形県:西山スギ、金山スギ、山の内スギ、土湯スギ、八千代スギ
- 栃木県:日光スギ、八溝スギ
- 埼玉県:西川スギ
- 千葉県:山武スギ
- 東京都:青梅スギ
- 新潟県:越後ブランドスギ認証材
- 富山県:立山スギ
- 福井県:足羽スギ、河和田スギ
- 長野県:根羽スギ、遠山スギ
- 岐阜県:長良スギ
- 静岡県:天竜スギ
- 愛知県:三河スギ
- 三重県:御山スギ
- 滋賀県:谷口スギ
- 京都府:北山スギ、宇治田原スギ
- 大阪府:河内スギ
- 奈良県:吉野スギ、春日スギ
- 鳥取県:若桜スギ、智頭スギ
- 徳島県:鬼頭スギ
- 愛媛県:久万スギ
- 高知県:土佐スギ
- 福岡県:八女スギ
- 熊本県:小国スギ、市房スギ
- 大分県:日田スギ
- 宮崎県:飫肥(おび)スギ
- 鹿児島県:霧島スギ、屋久杉
参考: 森林・林業学習館
https://www.shinrin-ringyou.com/search_sugi/#sec01
いかがでしょう。
お住まいの地域や、ふるさとのスギはありましたか?
生活の中で使われてきたスギの抗菌力と空気清浄能力
スギ材は消臭力や抗菌力に優れているため、
日本人の生活の中に頻繁に取り入れられてきました。
消臭力を生かして「厠(現在のトイレ)」に使われたり、
醸造用の杉樽、かまぼこの板にも使われたりしています。
建築資材としても数寄屋造の建物に使われ、
空気清浄の力も発揮していました。
近年では「スギスリット」という商品も出ていて、
寝室や仕事環境、勉強部屋などに置くと
空気清浄や消臭機能を発揮してくれるスギのちからがうまく使われています。
スギ精油の主な芳香成分
スギ精油には、比較的モノテルペンが多く含まれます。
基本的にスッと軽い香りが特徴です。
では、メーカーさんごとの主な芳香成分の特徴を見てみましょう。
- yuica杉精油枝葉部:αピネン、サビネン、ミルセン
- yuica杉精油葉部:サビネン、酢酸テルピニル、酢酸ボルニル
- 小国スギ精油:αピネン、サビネン、リモネン、テルピネン-4オール
- 屋久杉精油:δカジネン、αームロレン、カラメネン
それぞれ、同一種とは思えないほどの芳香成分の差があります。
分析結果を見ても、香りが全く異なるのがよくわかりますね。
また、その個体からでも、抽出部位によって異なります。
興味深いことに、こちらの小国杉での実験によると、
スギ材の乾燥方法によっても芳香成分が変わってくるとのことですので、
精油の香りを同一に保つということがどれだけ大変なことなのかがわかりますね。
また、小国地域の温泉を利用した地熱乾燥であれば、
ジテルペンが多く含まれることが判明しています。
これは、土埋木(切り倒されたものの運び出せずに放置されたまま残っている屋久杉)として現在利用されている屋久杉にもジテルペンが多いので、
興味深い結果ですね。
ですので、アロマセラピーとしてアプローチしたい目的がある場合、
同じスギ精油でもどのスギ精油を選ぶのかがとても重要になってきます。
特にセラピストの方はクライアントの主訴を包括的に見て、
どこにアプローチすれば根源的な緩和につながるのかを見抜く必要があります。
スギ精油のオススメの使い方
芳香浴で楽しむ
- ディフューザーで空間に拡散させる(〜5滴)
- ティッシュに1〜2滴垂らして設置する
- 精油ボトルの蓋を直接嗅ぐ(ボトル本体ではなく蓋の香りを嗅ぐ)
精油専用シールを活用
「ピタッとアロマ」など精油滴下専用シールを使うと、
いろんなシーンに役立ちます。
シールに1〜3滴程度垂らして染み込ませ、使いところに貼ります。
貼っても跡が残らない素材かどうか確かめてからお使いください。
エアコンに貼る
風の吹き出し口、もしくは吸気口(上部)に貼ると、風に乗って香りが広がり、カビや菌の増殖なども防ぐことができます。ただ、空気清浄性能付きだと、香りが弱まる可能性があります。
扇風機、サーキュレーターに貼る
ハンディファンに貼る
襟元に貼る
脇の下あたりに貼る
下着の袖ぐりの下、もしくはノースリーブの洋服の内側袖ぐりの下あたり(肌に当たらない場所)に貼ると、スギ精油が汗のにおいを抑えてくれます。
マスクに貼る
ピタッとアロマをマスクの外側に貼っていただくと、呼吸するたびに杉精油の香りがして、マスクの中の嫌なにおいを緩和することができます。また、スギ精油の香りで抗菌作用や集中力向上作用が期待できるため便利です。クロモジ精油を混ぜていただくと、抗ウイルス作用も期待できますので、感染症予防として気をつけたい時に使えます。
風鈴に貼る
風鈴の飾り部分にピタッとアロマを貼っておくと、自然の風に乗って周囲にスギ精油の爽やかな香りが広がります。夏ならではの風流を感じられますね。ヒバ精油や和薄荷などを混ぜてシールに垂らしていただくと、蚊除けとしても使えます。
アロマスプレーにして使用
アルコール対応スプレーボトルに、無水エタノールを全体量の10〜70%入れ、和精油を10〜20滴程度加えてよく混ぜ、そのあと精製水(もしくはミネラルウォーター)を全体量になるまで加えます。水の量が多いとその分劣化が早くなりますので、作成から2週間を目安に、よく降ってからお使いください。2週間を超えると雑菌が繁殖して増えやすくなりますのでご注意ください。使う和精油の量が比較的多いので、いろんな和精油をブレンドして楽しめます。オリジナルでお好みの天然のアロマスプレーを作ってみましょう。
部屋の消臭
お部屋の中で空間にアロマスプレーを噴射します。肌につけたり、直接吸い込んだりしないようにお気をつけください。ふわっと爽やかな香りが広がり、瞬時に芳香浴を楽しめます。気分に合わせて、スギ精油以外にもさまざまな和精油で楽しんでください。
うちわ、扇子
ハンディファンと異なり、うちわや扇子にはアロマスプレーで香りを染み込ませます。紙が水分で変質しないように気をつけてお使いください。あおぐと、ふんわりと香りが広がるようになります。スッとした香りが欲しい時は和薄荷精油、甘めの落ち着く香りが欲しい時は黒文字精油もいいですね。
ハンカチ
ハンカチにアロマスプレーを吹き付けます。満員電車や乗り物酔いの時、ちょっとお手洗いに行った時にリフレッシュしたい時などに大活躍します。甘夏精油や青みかん精油、黒文字精油なども緊張状態を緩和してくれますのでおすすめです。
枕、布団の消臭
起き抜けの枕、シーツにアロマスプレーを噴射しておくと、いやな臭いがこもるのを防げます。加齢臭や油臭さ、汗臭さなどを緩和してくれるため、寝室に1本置いておくと起きてすぐに使えて便利です。ヒバ精油やモミ精油も針葉樹の爽やかさがありスッキリします。
カーテンの消臭
意外とニオイが染み付いているカーテン。面積も大きいですし、洗うのも面倒なもののひとつ。においが強い料理を食べたあと、タバコのにおい、お酒のにおいなどをリフレッシュしたい時は、カーテンにアロマスプレーを噴霧しておくとスッキリします。定期的な換気も大切です。
ソファやカーペットの消臭
いつも座っているソファ、洗えないカーペットなど、汗や足裏のニオイがつきます。アロマスプレーでシュッと消臭しておくと、気持ち良く消臭できます。特にカーペットに噴霧するなら、抗真菌作用が期待できる和精油をつかうのも水虫対策におすすめです。
拭き掃除
テーブルや床など、拭き掃除をするときに、アロマスプレーを使っていただくと芳香浴も楽しむことができます。また、良い香りに包まれつつ、嫌なニオイについては消臭してくれ、雑菌類も抗菌作用が働きますので、より清潔に拭き上げることができます。一石三鳥にもなりますね。市販のクイックルワイパーでは合成香料のニオイがきつくてつらい方はアロマスプレーを染み込ませたシートを使用するのもひとつの方法です。
また、お掃除ロボットについては、水拭きをしてくれるタイプのものに使う方法もあります。注意点はプラスチック部品を傷めないように精油やアルコールの濃度をかなり薄くすること。できれば芳香蒸留水を使うことがおすすめです。ただし、メーカーの保証対象外の使用方法にあたりますので、自己責任になります。
詳しくはこちらのInstagram記事をご覧ください。
ゴミ箱
キッチンのゴミ箱や洗面所など、生ごみや濡れたものを入れるゴミ箱に関してはニオイが気になりますよね。そんなときにシュッとアロマスプレーを吹きかけておくと雑菌の繁殖を抑えつつニオイの予防にもなります。排水溝などにもおすすめの方法です。また、コバエが発生するのを防ぎたいときは薄荷油なども混ぜて使うとより効果的です。
トイレ
お手洗いに1本置いておくと、ニオイがだいぶ軽減されます。「トイレの使用後すぐにスプレーをして蓋をしてから流す」という動作を習慣にしておくと、トイレにニオイがこもりません。また、ついでに拭き掃除をする際にも使えますので便利です。針葉樹の香りがするお手洗いは大変清々しく、「沈思黙考」にも最適な場所になるかもしれませんね。
その他そうじでの活用方法
塩に混ぜて掃き掃除
ガラスの密閉容器に塩を入れ、精油を数滴入れて1日程度放置します。塩に香りが映れば掃除用の塩が完成です。
玄関などに塩を撒き、ほうきで掃くと塩が汚れを巻き込んで黒くなりながら集まってきます。掃除しているあいだ良い香りに包まれて作業ができるので快適です。
ティッシュに香りをつけて掃除機で吸い込む
ティッシュに1〜2滴精油を垂らし、香りのついたティッシュを小さくちぎって掃除機に吸わせます。それから掃除をすると、掃除機から出る排気も良い香りがするため、芳香浴も楽しめます。また、ゴミパックやゴミタンクの中のダニやウイルスになど対してもアプローチできるため、より清潔感が増します。
いかがでしたでしょうか。
スギ精油だけでなく、多くの和精油には
消臭作用や抗菌作用が期待できるものが多く、
暮らしの中でいろいろと活躍するシーンがあります。
ぜひ、和精油を上手につかって快適な暮らしを楽しんでくださいね。
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更新は止まっていますが、かなり深いアロマの話を収録しています。各団体の機関誌や実体験などを題材に、今まで知らなかったアロマセラピーの知識に出会えるかもしれません。
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