認知症にアロマが良いと言われるようになった研究と和精油の活用について

認知症にアロマが良いと言われるようになった研究と和精油の活用について

5人に1人が認知症の時代が
あと2年たらずでやってくる!

 

 

こんにちは。

和精油と国産ナチュラルコスメの専門店
「和精油のある暮らし」
の近藤です。

 

認知症の治療薬が認可され、話題になりましたね。
とても画期的なことですが、できれば認知症は予防したいもの。

日本人の認知症患者は2025年には
高齢者の20%が認知症患者になると予想されています。
5人に1人は認知症になる世界がもうすぐそこに来ています。

ということで、今回は認知症予防にアロマが役立つと証明された研究の話と、
その研究を暮らしに取り入れるアイデアなどをご紹介します。

和精油を活用して普段の暮らしで認知症予防に役立てましょう。

 

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認知症とアロマの実験

2008年、鳥取大学で特別養護老人ホーム入所中の高齢者77例
(軽度アルツハイマー病(以下AD)6例、中等度AD6例、高度AD65例)
アロマセラピーの有用性を検証する実験が行われました。

 

実験方法


朝(9時〜11時)にローズマリー・カンファー精油4滴とレモン精油2滴、
夜(19時半〜21時半)にラベンダー精油4滴とオレンジ・スイート精油を2滴
ディフューザーで散布。

TDAS(タッチパネル式認知機能検査)による点数を比較。

最初の28日間を何もしない期間(コントロール期間)とし、
その後28日間でアロマテラピーを実施しました。
効果の持続と消失を検討するため、その後28日間を何もしない期間としました。

(ウォッシュアウト期間)

 

結果

全体のTDAS(タッチパネル式認知機能検査)総点に有意差はみられませんが、
認知症の好発年齢である65歳以上群に対する高度AD群のTDAS総点では
有意に改善がみられました。

 

「高度アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性.神保太樹、浦上克哉.日本アロマセラピー学会誌7(1), 43-48, 2008」

 

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どうして精油を使おうと思ったの?

 

この実験、なぜ行われたのかというと、
浦上先生が疫学調査をしていると、
認知症を発症する前段階で嗅覚障害が出てくることが判明したからなんですね。

そこで、精油による嗅覚刺激が認知症発症の予防につながるのでは、
という仮説を立てたわけです。

なぜなら、アルツハイマー型認知症というのは
神経変性疾患という分類に該当するのですが、
かならず決まった通りに病変が広がっていく疾患だからだそうです。

嗅覚障害が始まった時点で嗅神経を刺激し、
次に起こるであろう記憶障害に病気が進行しないようにできるのではないか
と考えて、アロマセラピーによる嗅覚の刺激というアプローチに
たどり着いたそうです。

 

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実はこの実験で弊害が生まれた

合成香料の偽物が横行してしまった 

浦上先生もインタビューの中で言及されているのですが、

試行錯誤してたどり着いた「ローズマリー・カンファー精油+レモン精油」と
「ラベンダー精油+オレンジ精油」の組み合わせなのですが、
研究結果が発表されてからさまざまなメーカーさんが
同じ香りのセットを「認知症対策ブレンド」として発売し始めました。

その結果、この組み合わせのセットがバカ売れし、
売れるので知識のないメーカーの中には
化学合成香料を使用した精油ではないものも販売するようになり、
偽物とは知らずに香りのイメージだけが先行してしまったそうなんです。

合成香料を長期間吸入することの危険性についてはこのように語られています。

「長い間にわたってアロマの香りを嗅ぐ必要がありますので、化学合成された本来人間の体にはないものが入っていきますと、分解できずに肝臓などに蓄積していく可能性があります。最悪の場合、命に関わることがありますので、私は化学合成されたものは使わないようにしていただきたいと思っております。

私自身も呼びかけてはいるのですが、やはり化学合成されたものの方が値段が安いんですね。なかなかそのあたりが課題となっております。」

参照:健達ねっとコラム 達人インタビュー【専門家インタビュー】認知症の予防にはアロマセラピーが効果的?

 

読者の皆さまも、きちんと裏面を見て、
「精油」または「エッセンシャルオイル」が使われているものを
選ぶように気をつけてください。

 

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このセットじゃないとダメという思い込み

私が考えるこの組み合わせの弊害は、
アロマセラピーにとってとても基本的なことが
無視される形で広まってしまったことではないかと思います。
以下、いくつか注意点を見ていきましょう。



ローズマリーの禁忌

ローズマリー・カンファーと言えば、
「頭脳明晰作用」があるとされて試験前などに大活躍する精油ではありますが、
基本的にローズマリーには3タイプ以上あって(同じ学名でも生育環境などが違って成分が異なるものをケモタイプと言います)香りが全て違いますから、
どんなローズマリーでもいいというわけではありません。

また、その中でも研究で使用されたローズマリー・カンファーについては、
高血圧や血管系の疾患、てんかん、妊娠中、授乳中、
3歳児以下の乳幼児には禁忌です
使わない方が良い精油。
特に、高齢者に対して使う場合は高血圧の方が多いため、
事前に使えるか確認する必要があるでしょう。

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ラベンダーは実は苦手な方も多い

ラベンダーについても、ラベンダーと偽って
ラバンジンやスパイク・ラベンダーを使っているものや
ひどいものは合成香料が使われている時もあります

また、ラベンダーはとても一般的で汎用性の高い精油ですが、
好き嫌いが分かれる香りでもあります。
嫌いな香りでは扁桃体が「不快」に傾き、
アロマセラピーとしてはマイナス効果。
使わない方が良い場合もあります。

では、実験結果は役に立たないのでしょうか?

いえいえ、そういうわけではなく、うまく応用すればいいだけです。

ここからは少し専門的な知識になってきますが、
研究結果を自分にぴったり合うように応用するコツをお伝えします。

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注目すべきは精油ではなく芳香成分

研究で使われた精油に関しては、
浦上教授が試行錯誤の末に選出したと言われていますが、
注目するべきはその精油の種類ではなく、
その精油がもつ芳香成分です。

精油の持つ芳香成分を分析し、
それぞれの精油をブレンドすることで、
好みの香りに仕上げつつ効果を得ることもできるのが
アロマセラピーのおもしろいところです。 

では、それぞれどのような芳香成分が含まれているのかを分析していきましょう。

 

 

 

ローズマリーの精油がなぜ朝に選ばれたのか

研究で使用された精油はローズマリー・カンファーです。
前述しましたが、ローズマリーにはケモタイプが存在し、
ローズマリー・ベルベノンやローズマリー・シネオールなどがあります。
それぞれ主要な芳香成分が異なりますので、ご注意ください。

ローズマリー・カンファー精油の主要芳香成分は
「カンファー」や「1.8シネオール」、「αーピネン」などです。


それぞれが持つ主な作用は以下の通りです。

  • カンファー:筋肉弛緩作用、鎮痛作用、麻酔作用、抗嘔吐作用、抗神経痛作用、抗腐敗作用、駆風作用、中枢神経刺激作用、延髄の呼吸中枢刺激作用、中枢神経のあらゆる部位に作用して血管運動興奮作用を起こすなど。
  • 1.8シネオール:免疫調整作用、抗炎症作用など
  • αーピネン:強壮作用、脳血流を増やして大脳を活性化する作用

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レモンの精油がなぜ朝に選ばれたのか

レモン精油の主要芳香成分は「d-リモネン」「Γ-テルピネン」などです。

それぞれが持つ主な作用は以下の通りです。

  • d-リモネン:肝臓強壮作用、腎臓機能強壮作用、消化管の蠕動運動促進作用、降圧作用、中枢神経抑制による鎮静作用、去痰作用、末梢血管収縮作用など。
  • Γ-テルピネン:静脈強壮作用

 

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ラベンダーがなぜ夜に選ばれたのか

ラベンダー精油は、似たような香りがありますのでご注意ください。
特にラバンジン、スパイク・ラベンダーはラベンダーだとして販売されていることが多いため、学名をよく確認して「真正ラベンダー」(Lavandula angustifoliaもしくはLavendula officinalis)と書かれているかを確認してください。

 

ラベンダー精油の主要芳香成分は「酢酸リナリル」と「リナロール」などです。

それぞれが持つ主な作用は以下の通りです。

  • 酢酸リナリル:抗うつ作用、自律神経調整作用など
  • リナロール:鎮静作用、降圧作用、抗不安作用、精神安定作用など

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オレンジ精油がなぜ夜に選ばれたのか

 オレンジ精油に関しても、実はスイート・オレンジ精油(オレンジ・スイートそも呼びます)とビター・オレンジ精油の2種類があります。
実験で使用されたのはスイート・オレンジ精油です。

スイート・オレンジ精油の主要成分は「d-リモネン」「リナロール」などです。

それぞれが持つ主な作用は以下の通りです。

  •  d-リモネン: 肝臓強壮作用、腎臓機能強壮作用、消化管の蠕動運動促進作用、降圧作用、中枢神経抑制による鎮静作用、去痰作用、末梢血管収縮作用など。
  • リナロール:鎮静作用、降圧作用、抗不安作用、精神安定作用など

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要は、このような作用を持つ芳香成分を含む精油で、
自分がこことい良いと思える香りを選べばいいのです。

では、和精油で選ぶ場合はどのようなものが該当するのでしょうか。

 

次回の記事で、詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

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